牛丼チェーン店の展開しているスマートフォンアプリケーションについての調査

背景

かつ丼アドベントカレンダーへの寄稿のため、怪文書が必要となり自身の経験と日常利用している牛丼チェーン店のアプリケーションについて機能面の調査と考察を行う。

調査方法

各社のアプリケーションをAndroidにインストールし、利用できる機能とその範囲を比較する。

今回は以下に示す環境とバージョンのアプリを比較する。Androidアプリ市場にはかつ丼専門店が制作したアプリが公開されているが、牛丼チェーン店のみに絞って機能の比較を行う。

ラベル バージョン
ハードウェア Unihetz Titan Pocket
OS Android11
すき屋アプリ 2.3.4 (2021/11/23更新)
松屋フーズアプリ 9.22.0.0 (2021/03/03更新)
吉野屋アプリ 4.1.9 (2021/10/02更新)

調査結果

すき家

機能としてはPR情報表示、メニュー表示、店舗検索、モバイルオーダーが実装されていた。
起動直後の画面は以下の画像のとおりとなっており、表示画像の高さの算出方法が縦方向の\frac{1}{3}もしくは表示画像のオリジナルの高さの最大値を選択しているものと思われる。
ここに画像
メニュー表示と店舗検索はすき家公式ページを開くWebViewとなっている。実装コストを低くしたい&管理を楽にしたいという思いが感じられる。
モバイルオーダー機能は会員にのみ提供され、Sukipassが登録されているかどうかで支払い金額を軽くするという動作をしている。Webサイトと比較して個人を識別しやすいというものや、それぞれの端末で別のデータを持てるというアプリの特性を利用しているのがうれしい。

松屋フーズ

機能としては、グループ企業別にPR情報表示、店舗検索、モバイルオーダー、クーポン表示が実装されていた。
起動直後の画面は以下のとおりとなっており、画像の表示サイズは固定値で決められているようで今回実験に利用したTitan Pocketではトップ画面の全てが表示されない。
ここに画像

店舗案内機能はどうも埋め込み式のWebViewで検索ページを表示しているように見える。なんかヘッダーダブってね?
モバイルオーダーは会員にのみ提供され、QRコードを利用して券売機の入力を楽にするという仕組みとなっている。事前に注文を決められて、入力の手間がなくなるのはうれしいところ。
また、3会社のうち唯一グループ企業で同一のアプリを利用しているため、後々拡張したいとなったときに対応できそうな展望が見られる。

吉野屋

機能としてはPR情報表示、メニュー表示、クーポン表示、店舗検索が実装されていた。
起動直後の画面は以下のとおりとなっており、大きなスライダー画像で今行なっている企画を押し出している。
ここに画像
店舗検索機能はネイティブ実装で動作しており、現在地を中心とした位置からの近い店舗を表示している。
メニュー機能もネイティブ実装されているように見える。受け取れる情報は値段や原材料、アレルギー情報など。注文することはできない。大事な点なのでもう一度言う。注文することができない。
クーポンは、利用できるクーポンを一覧できるがアプリと連携していないためクーポンを会計時に店員に見せる、運用でカバー!!!な解決策をとっている。死ね。
モバイルオーダー機能はない。なんでだ。これはアドウェアかなんかなのか。

まとめ

機能 すき家 松屋フーズ 吉野屋
メニュー あり 注文時に表示(個別ではなし) あり
店舗検索 あり あり あり
クーポン 組み込み 券売機に提示 店員に提示
PR情報 あり あり あり
モバイルオーダー あり あり なし

上の表を見てみるとすき家はアプリで完結したシステム化によるコスト軽減、松屋フーズは既存システムに組み込みという方針でアプリを作成している。吉野屋は店員もシステム構成の一つであると考えて運用している傾向が見られる。

考察

近くにあったのがすき家だけだったのですき家アプリを利用していたが、松屋グループや吉野家も類似のアプリケーションを開発していた。
アプリケーションの機能として比較してみるとすき家と松屋フーズが提供しているアプリがモバイルオーダーに対応している。
松屋フーズ提供のアプリについては複数のグループ店のアプリを一つにまとめていたり、券売機という松屋独特のシステムと連携したQRコード生成機能がついていたりする。
共通している機能としては、メニュー表示、店舗検索、会員情報をまとめたマイページと最新情報を通知するためのページがあった。
吉野屋は店員の優秀さに甘えて運用でカバーするような不完全なアプリを公開している感覚になってムカムカした。